【時代解説:現代】世界の一体化の完成!グローバル社会・大衆消費社会が到来した時代、「現代」とはどんな時代か解説!

こんにちは!歴史ワールド管理人のふみこです!

今回は、歴史の時代区分の1つ、「現代」について解説します。

時代区分については、主流となっている「先史時代」「古代」「中世」「近世」「近代」「現代」の六時代区分法を前提とします。

みなさんも、「現代」という言葉を聞いたことがあると思います。「現代社会」「現代文」など、さまざまな場面で「現代」というワードが出てきます。

そして、今わたしたちが生きている時代も「現代」であり、歴史は更新し続けられています。

そうです。まだ続いているのです。我々はまだ、歴史のただ中にいるのです!

では、現代とはいつから始まっていて、どんな時代なのでしょうか?

この記事では、そんな「現代」とはどんな時代なのか、分かりやすく解説します。

目次

現代とはいつから始まった?


1918年に第一次世界大戦が終わってから現在に至るまでの約100年間
です。1945年の第二次世界大戦終了から、1989年の冷戦終結から、などさまざまな説がありますが、1918年の第一次世界大戦終了時からが主流です。

日本では、1945年の第二次世界大戦敗北から現在に至るまでの期間です。

とはいえ、歴史は今も更新し続けられているので、いずれ「現代」の範囲も変わってくるでしょう。

現代の流れ

第一次世界大戦後の世界秩序とその崩壊(1920〜1935年頃)

第一次世界大戦で甚大なダメージを受けた教訓から、戦争を予防するために世界初の国際的な平和維持機構である国際連盟が設立されますが、大国アメリカの不参加や武力制裁ができないなど、うまく機能しません。また、国土が甚大なダメージを受けた戦勝国であるフランスの要求により、敗戦国ドイツに対して天文学的な賠償金が課せられます。これはドイツの大戦後世界秩序に対する反発を招きます。

大戦中に革命が起こったロシアでは史上初の社会主義国家であるソビエト連邦が誕生します。社会主義・共産主義の波及を恐れた資本主義国家たちは干渉戦争を行いますが、撃退されてしまいます。

大戦後に覇権国家となったアメリカ合衆国は空前の繁栄を謳歌しますが、その反動で1929年に株価大暴落による世界恐慌が発生し、その影響はソ連を除く全世界に波及して世界中が貧乏になってしまいます。

内需が大きく資源の豊富なアメリカや、植民地帝国を持つイギリス・フランスはなんとか持ち直しますが、それらを持たない日本・ドイツ・イタリアは他国を侵略して資源や植民地を獲得する手段を取り、両者の対立が深まって新たな戦争の影がしのび寄ります。

人類史上最大の戦争!第二次世界大戦の勃発(1935年〜1945年頃)

ドイツは1938年のオーストリア併合、1939年のチェコ併合と領土拡大を続けます。さらにドイツが1939年にポーランドに侵攻したことで、イギリスとフランスがドイツに宣戦布告し、第二次世界大戦が勃発します。

東アジアでは日本が1937年から日中戦争を進めており、アメリカやイギリスとの対立を深めていきます。

第二次世界大戦はアメリカ・イギリス・フランスなどの自由主義陣営、日本・ドイツ・イタリアなどのファシズム陣営、ソ連などの共産主義陣営の3つの陣営による戦いでした。1939年の第二次世界大戦勃発時点では、独ソ不可侵条約により、ファシズムと共産主義が協調していたのです。

しかし、1941年に突如ドイツがソ連に侵攻したことでファシズム陣営と共産主義陣営は戦争状態となり、ファシズム陣営を共通の敵とする自由主義陣営と共産主義陣営が一時的に手を結びます。

また、同じく1941年に日本がアメリカ・イギリスなどと開戦したことで、ヨーロッパの戦争とアジアの戦争が連結し、地球規模の世界大戦となります。

序盤はファシズム陣営(枢軸国)に勢いがありましたが、次第に押され始め、1943年のイタリア降伏、1945年のドイツ・日本降伏により、ファシズム陣営(枢軸国)は全滅し、世界中で甚大な被害を出し人類史上最大規模となった第二次世界大戦は連合国(自由主義陣営と共産主義陣営)の勝利で終結します。

東西冷戦とアジア・アフリカ諸国の自立(1945〜1970年頃)

ファシズム陣営(枢軸国)が倒れて平和が訪れるかに見えましたが、残る自由主義陣営と共産主義陣営はすぐに対立を深めます。もともと対立していた2陣営が対ファシズムで一時的に組んでいただけだったからです。

アメリカ・イギリスなどを中心とする自由主義陣営の西側諸国と、ソ連・中国などを中心とする共産主義陣営の東側諸国は、ほぼ世界を二分して地球規模で対立を深めます。1962年のキューバ危機で対立は最高潮に達し、核戦争の危機、危うく人類滅亡!?となりますが、なんとか踏みとどまります。

欧米諸国の植民地となっていたアジア・アフリカ諸国では第一次世界大戦後から独立運動が盛んになっていましたが、第二次世界大戦後さらに激化し、インドや東南アジアなどのアジア諸国は1945年の第二次世界大戦終結以降、すぐに多くの国が独立します。アフリカ諸国も少し遅れて1960年頃から一気に独立します。

東西陣営の動揺と多極化の進展(1970〜1990年頃)

一枚岩かに見えた東西それぞれの陣営ですが、1970年代頃から動揺し始めます。西側はフランスの独自路線やヨーロッパ統合の進展、アメリカ国内のベトナム反戦運動など、アメリカを中心とする反共産主義の体制に綻びが見え始めます。東側はもっと激しく、中国とソ連の国境紛争や東欧諸国の自由化運動弾圧など、ソ連を中心とする共産主義諸国の団結は大きく動揺します。

このような東西陣営内の独自路線や対立により、米ソの二極体制が揺らぎ、ヨーロッパ・日本・中国など複数の勢力が台頭する多極体制へと移行し始めます。

冷戦の終結とグローバル社会の到来(1990〜2000年頃)

共産主義体制という欠陥経済システム国家も1980年代になると色々と無理が出てきて、経済に行き詰まったソ連や中国はペレストロイカや改革開放など、市場経済を一部導入し始めます。しかし、ソ連のペレストロイカは失敗し、1991年にソ連が崩壊したことで、冷戦は完全に終結します。ソ連の崩壊によって米ソ二極体制は完全に終わり、アメリカの世界1位の超大国としての地位は維持されつつの多極化という体制となります。

また、1990年代後半からのICT(情報通信技術)革命によって、経済・文化などあらゆる活動が時間や場所の制約を超えて地球規模で拡大・一体化し、16世紀頃から始まった世界の一体化が完了します。グローバル社会・地球社会の到来です。

ICT革命によるグローバル化の爆発的な進展と紛争やテロの多発(2000〜2020年頃)

1990年代後半に始まったICT革命は2000年代以降もさらに急速に進み、スマートフォンの普及などによってビジネスだけでなく大衆文化にもグローバル化は進行します。

こうして経済や文化の面では世界は1つになりますが、政治的にはどんどん分断が進みます。国際連合・ヨーロッパ連合(EU)など国境を超えた結びつきが強まる一方で、独立国家の数は増え続け、国境紛争や宗教対立などが世界の各地で頻発しています。

イスラーム勢力によるテロやアフリカの内戦などの小規模な争いが多発する中で、中国によるアメリカの覇権への挑戦やロシアによるウクライナ侵攻など、大国同士の対立の激化といった、世界大戦の火種となるようなできごとも起こってきています。

世界の一体化の完成!グローバル社会・大衆消費社会が到来した時代

グローバル化・国民国家群の増加・大衆消費社会の時代を「現代」といいます。

16世紀の近世から世界の一体化が始まり、近代でさらに進み、第一次世界大戦後に急速に進展します。世界の一体化・グローバル化とは、政治・経済・人・文化などさまざまなものが国境を越えて地球規模で統合していくことです。国際連盟・国際連合・EU(ヨーロッパ連合)など、地球規模の国際機関により主権国家の権力が一部制限され、一体化が進んでいます。

しかし、グローバル化の進展と並行して、逆に地域の分断や社会格差が進み、大規模な国家が分離・解体して中小規模の国民国家群が増加し続けています。

グローバル化(世界統合)と国民国家群の増加(各地域の分断)という2つの矛盾する大きな現象が起きているのが現代の特徴です。

さらに、近代の産業革命以降急速に進展した科学の発展は人々の生活水準を劇的に向上させ、近代の資本家と労働者という二極構造から、労働者も豊かな暮らしができる社会へと変化しました。

また、生命科学や医療の進歩により急速に長寿社会が実現しています。これは人類がこれまでに経験したことのない状況であり、人類は現代の次の時代を迎えつつあるのかもしれません

これからも一緒に歴史を学んで未来をより良くしていきましょう!最後まで読んでいただきありがとうございました。

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