こんにちは!歴史ワールド管理人のふみこです!
今回は、1875〜1900年の、帝国主義列強が世界を分割した頃の世界史を解説します。
第二次産業革命によって爆発的に生産力が向上した欧米列強は、原料・市場・労働力確保のため世界中を植民地化して世界の分割が行われます。植民地をめぐって欧米列強諸国同士の対立も深まっていく一方で、日本以外のアジア諸国は欧米列強に植民地化または従属させられていきます。
この記事では、そんな1875〜1900年はどんな世界だったのか、分かりやすく解説します。
1875〜1900年はどんな世界だったのか
ヨーロッパ
1871〜1890年のビスマルク体制の期間は、ヨーロッパ列強間での対立は少なく平和が保たれていました。しかし、1888年にヴィルヘルム2世がドイツ皇帝に即位すると、政策の違いで対立したビスマルクが1890年に辞任し、ビスマルク体制は終了します。ヴィルヘルム2世は「世界政策」と称して植民地拡大を行なったため、もともと対立していたフランスに加えてイギリス・ロシアとも関係を悪化させていき、ロシアとフランスは1891年に露仏同盟を結びます。ドイツはロシアとフランスに挟まれた位置にあり、もともとドイツとフランスは対立していたため、ビスマルクはロシアとの友好関係を最重要視していました。露仏同盟はビスマルクが最も恐れていた事態です。1890年からのヨーロッパの国際関係は、三国同盟(ドイツ・オーストリア・イタリア)、露仏同盟(ロシア・フランス)、大英帝国(イギリス)という構図でした。
第二次産業革命によって爆発的に生産力が向上した欧米列強は、原料・市場・労働力確保のため世界中を植民地化して世界の分割が行われます。ビスマルク時代は主にイギリス・フランス・ロシアでしたが、その後はドイツ・アメリカ、さらに日本も加わり、植民地獲得競争が行われます。
ロシアは再びバルカン半島への進出を始め、1877〜1878年の露土戦争に勝利してベッサラビアを再び併合し、オスマン帝国はバルカン半島の領土の大半を喪失、バルカン半島ではスラヴ人国家のルーマニア・セルビア・モンテネグロの独立が認められます。
アメリカ
工業生産力世界一となったアメリカ合衆国も1897年に就任したマッキンリー大統領のもとで帝国主義政策を進めます。1898年に米西戦争を仕掛けてスペインの植民地だったフィリピン・プエルトリコ・グアムを獲得し、同年ハワイを併合します。
東アジア
日本は「富国強兵」「殖産興業」をスローガンに経済力・軍事力を高めつつ、1876年に小笠原諸島を領有、1879年に沖縄県を設置し、対外進出も始めます。朝鮮半島にも進出し、宗主国の清と対立が深まった結果、1894〜1895年に日清戦争が起こり、日本が勝利して1895年に下関条約が結ばれ、日本は遼東半島・台湾・澎湖列島と多額の賠償金を獲得しますが、日本の台頭を恐れた独仏露の三国干渉によって遼東半島はロシアの租借地となります。また、この下関条約で朝鮮の独立が認められます。
この日清戦争の敗北によって同じアジアの日本にも敗れた清の弱さが明るみになり、列強による中国分割が加速していきます。このような列強の侵略に反発して白蓮教系の宗教団体が1900年に義和団事件を起こして列強を排除しようとしますが、失敗します。
西アジア・アフリカ
アフリカでもヨーロッパ列強による分割が一気に進みます。イギリスは1882年にエジプトを軍事占領し、もともと植民地だった南アフリカと南北に連結する縦断政策を展開し、植民地を拡大します。フランスは1830年に獲得していたアルジェリアを起点に1881年にチュニジアを保護国化、アフリカを東西に連結する横断政策を展開して植民地を拡大します。ベルギーはコンゴを植民地化し、遅れて進出を始めたドイツはタンザニア・ナミビア・カメルーンを獲得します。イタリアも東アフリカのエリトリアとソマリランドを植民地化してさらにエチオピアを攻撃しますが、1896年のアドワの戦いで敗れ、エチオピアはアフリカで唯一独立を維持します。
南アジア・東南アジア
イギリスは1877年にイギリス領インド帝国を成立させ、さらに1880年にアフガニスタン、1886年にビルマを併合します。
東南アジアの分割も完了し、イギリスがビルマ・マレー・シンガポール・ボルネオ北部、フランスがベトナム・ラオス・カンボジア、オランダがインドネシア、アメリカがフィリピンで、タイのみ独立を維持します。
1875〜1900年は帝国主義列強が世界を分割した時代
このように、1875〜1900年は帝国主義列強が世界を分割した時代でした。第二次産業革命によって爆発的に生産力が向上した欧米列強は、原料・市場・労働力確保のため世界中を植民地化して世界の分割が行われます。植民地をめぐって欧米列強諸国同士の対立も深まっていく一方で、日本以外のアジア諸国は欧米列強に植民地化または従属させられていきます。
これからも一緒に歴史を学んで未来をより良くしていきましょう!最後まで読んでいただきありがとうございました。