【時代解説:1825〜1850年】欧州諸国が自由主義化しイギリスが世界の工場になってアジア植民地化が進んだ頃の世界史を解説!

こんにちは!歴史ワールド管理人のふみこです!

今回は、1825〜1850年の、欧州諸国が自由主義化しイギリスが世界の工場になってアジア植民地化が進んだ頃の世界史を解説します。

ヨーロッパではウィーン体制が崩壊して各国で自由主義・ナショナリズムの動きが広まります。いち早く工業化したイギリスが世界の工場となって世界各地を経済システムに組み込む中、欧州各国のアジア植民地化が進みます。

この記事では、そんな1825〜1850年はどんな世界だったのか、分かりやすく解説します。

目次

1825〜1850年はどんな世界だったのか

ヨーロッパ

ウィーン体制によって一時的に絶対王政が復活しますが、自由主義・ナショナリズムを求める動きは止められず、各地で反乱や革命が起き、1848年にウィーン体制は崩壊します。フランスでは1830年の七月革命によって立憲君主政の七月王政が成立し、さらに1848年の二月革命によってより自由主義の進んだ第二共和政となり、大統領にナポレオン1世の甥、ルイ=ナポレオンが就任します。

このフランスの二月革命が波及してプロイセンとオーストリアでは同年1848年に三月革命が起こります。プロイセンでは国王に憲法制定を約束させて同年1848年にフランクフルト国民議会が召集されますが、うまくまとまらず1849年に国王に解散させられ、自由主義は退潮します。オーストリアでも皇帝に憲法制定と自由主義を約束させますが、やがて皇帝に反撃されて退潮し、オーストリアは多民族を支配する絶対主義帝国として続くことになります。イタリアでも統一の機運が高まりますが、オーストリアやフランスの介入によって阻害されます。一方、ギリシアとベルギーの独立は成功し、ギリシアは1829年にオスマン帝国から独立、1830年にベルギーはオランダから独立します。ロシアでは自由主義運動は完全に弾圧され、対外進出を強めたロシアはコーカサス地方を獲得します。

いち早く工業化したイギリスは世界の工場となり、圧倒的な生産力を背景に世界各地をイギリス中心の経済システムに組み込みます。選挙法改正やカトリック教徒解放法などの自由主義化も進み、ウィーン体制とは距離を取って経済力強化と植民地拡大を進め、1837年に即位したヴィクトリア女王のもとで大英帝国繁栄の黄金期を迎えようとしていました。

アメリカ

アメリカ合衆国は領土拡大を続けます。1845年テキサス併合、1846年オレゴン併合、1846〜1848年の米墨戦争勝利によってカリフォルニア併合し、太平洋まで到達します。カリフォルニアでは金鉱が発見されてゴールドラッシュが起き、西武開拓が進んで経済的にも大きく発展します。

ラテンアメリカでは独立が続きます。1828年にウルグアイが独立、1830年にエクアドル・ベネズエラが独立します。

西アジア・中央アジア

1831〜1839年のエジプト=トルコ戦争でオスマン帝国は負けそうになりますが、イギリス・ロシアなどの支援でエジプト以外の領土を取り戻します。これがきっかけでオスマン帝国ではタンジマートと呼ばれる上からの近代化改革が始まります。南下政策を取るロシアはオスマン帝国への進出を拡大しようとしますが、それを恐れるイギリスはオスマン帝国を安定させようとし、オスマン帝国はイギリス・ロシアの覇権争いの舞台となっていきます。北アフリカではフランスが1830年にアルジェリアに侵攻し、植民地化します。

東アジア

イギリスは銀の流出を食い止めるため、アヘンを清に輸出します。清の林則徐が1839年にアヘンを没収すると、イギリスは1840年にアヘン戦争を起こし、イギリスが圧勝します。敗れた清は1842年の南京条約で香港をイギリスに割譲し、イギリス・フランス・アメリカに対して最恵国待遇と領事裁判権を与え、関税自主権を失うといった、不平等条約を結ばされます。

日本では1841年から老中水野忠邦が天保の改革を実施して幕府を建て直そうとしますが、大名の反対によって失敗し、1843年に失脚します。また、清のアヘン戦争敗北によってヨーロッパ諸国の圧倒的な武力を目の当たりにした日本は1842年に異国船打払令を緩和します。

南アジア・東南アジア

インドでは1845〜1849年のシク戦争でイギリスが勝利し、北西部もイギリスが植民地化します。同時期にイギリス東インド会社は商業活動を停止し、インド統治機関となります。こうしてイギリスはインドの大部分を植民地化することに成功します。イギリスは隣のビルマにも進出を開始し、1826年に第一次イギリス・ビルマ戦争に勝利してインドとの国境地帯を占領します。東南アジアでは1826年にイギリスが海峡植民地を成立させます。

1825〜1850年は欧州諸国が自由主義化しイギリスが世界の工場になってアジア植民地化が進んだ時代

このように、1825〜1850年は欧州諸国が自由主義化しイギリスが世界の工場になってアジア植民地化が進んだ時代でした。ヨーロッパではウィーン体制が崩壊して各国で自由主義・ナショナリズムの動きが広まります。いち早く工業化したイギリスが世界の工場となって世界各地を経済システムに組み込む中、欧州各国のアジア植民地化が進みます。

これからも一緒に歴史を学んで未来をより良くしていきましょう!最後まで読んでいただきありがとうございました。

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