【時代解説:1850〜1875年】大英帝国の覇権!第二次産業革命が起こり欧州諸国のアジア植民地化が加速した頃の世界史を解説!

こんにちは!歴史ワールド管理人のふみこです!

今回は、1850〜1875年の、大英帝国が覇権を握り第二次産業革命が起こって欧州諸国のアジア植民地化が加速した頃の世界史を解説します。

ドイツ・アメリカから第二次産業革命が起こり、重化学工業部門での技術革新が起こります。その結果、資本の集中と巨大化が進み、原料や労働力確保のため植民地拡張の動きが加速していきます。

この記事では、そんな1850〜1875年はどんな世界だったのか、分かりやすく解説します。

目次

1850〜1875年はどんな世界だったのか

ヨーロッパ

ヴィクトリア時代の大英帝国・イギリスは「世界の工場」と言われた圧倒的な工業力と海軍力を背景に覇権を確立し、「パクス・ブリタニカ」と呼ばれる黄金時代を築きます。しかし、第二次産業革命が起こり、次第にドイツ・アメリカが台頭していきます。

ドイツではプロイセン・オーストリアによるドイツ統一の主導権争いが起こります。プロイセンは1862年に首相となったビスマルクによる鉄血政策で一気に強国化し、1866年に普墺戦争で勝利してドイツ統一の主導権を握り、1870〜1871年の普仏戦争も勝利してドイツは完全にプロイセンによって統一され、1871年にドイツ帝国が成立します。ビスマルクは巧みな外交手腕でヨーロッパの勢力均衡を保ち、「ビスマルク体制」と呼ばれる安全保障体制が確立します。一方の普墺戦争で敗れたオーストリアは多民族支配を維持するためハンガリーに自治権を与えて、オーストリア=ハンガリー二重帝国が成立します。

イタリアではサルデーニャ王国主導の統一が進みます。1859年のイタリア統一戦争勝利でロンバルディア併合、ガリバルディが1860年に両シチリア王国を征服して中部・南部イタリアを併合、1861年にイタリア王国が成立し、1866年にヴェネツィア併合、1870年に教皇領を併合してイタリア統一が完成します。

フランスでは1848年の二月革命で大統領となったルイ=ナポレオンがクーデターを起こし、1852年に皇帝に即位してナポレオン3世となります。第二帝政の始まります。ナポレオン3世は積極的な対外政策を進めますが、1870〜1871年の普仏戦争で敗れて自身が捕虜となったため、退位します。その後、臨時政府やパリ=コミューンなど混乱が起こりますが、1875年に第三共和政が成立します。

ロシアは南下政策を進め、オスマン帝国に宣戦して1853〜1856年にクリミア戦争が起こります。ロシアの拡大を防ぎたいイギリス・フランスがオスマン帝国を助けるために参戦し、戦争はロシアの敗北となります。その後、ロシアは欧州方面での南下を諦め、極東方面での南下政策を進めます。1855年の日露和親条約、1875年の樺太・千島交換条約を結んで日本との国境を確定し、1858年のアイグン条約、1860年の北京条約で清から沿海州を獲得し、不凍港の町ウラジオストクを建設します。さらに中央アジアにも進出し、ブハラ=ハン国・ヒヴァ=ハン国・コーカンド=ハン国を併合して西トルキスタンを征服します。

アメリカ

アメリカ合衆国は重化学工業による第二次産業革命によって飛躍的に工業力を高め、1873年のヨーロッパ経済恐慌によって工業生産が世界一になります。対外的には太平洋への進出を進め、1867年にロシアからアラスカを購入、アリューシャン列島とミッドウェー諸島を征服します。

西アジア・中央アジア

オスマン帝国はロシアの南下政策を圧力を受けて1853年にクリミア戦争が起こりますが、英仏の介入によって勝利します。エジプトは外国資本への依存が深まり、1869年にスエズ運河を開通させるもイギリスに売却してしまいます。

東アジア

中国の清では1851年に太平天国の乱が起こり、一時的に中国の南半分を支配するも、清や外国軍によって1864年に鎮圧されます。同時に外国勢力の進出も進み、1856〜1860年のアロー戦争でイギリス・フランスに敗れてさらなる不平等条約を結ばされ、ロシアに沿海州を割譲します。太平天国の乱を鎮圧したあとは安定期に入り、洋務運動という、軍需産業の西洋化を進めます。

日本では1868年に明治維新が起こって江戸幕府は倒れ、天皇主権の大日本帝国が成立します。日本は一気に近代化・西洋化を進め、欧米諸国に対して治外法権を認め関税自主権を失う不平等条約を結ばされつつも、独立を維持します。

南アジア・東南アジア

インドではイギリスの支配に不満を持ったインド人が北インド全域で大反乱を起こし、1857年にインド大反乱が起こります。しかし反乱はイギリスに鎮圧され、1858年にムガル帝国滅亡、イギリスは東インド会社を解散させ直接統治を始めます。

東南アジアでも欧州諸国の植民地化が進み、1852年に第2次イギリス・ビルマ戦争でイギリスがビルマの南半分を獲得、1858〜1862年の仏越戦争で勝利したフランスはベトナム南部を獲得し、1863年にはカンボジアを保護国化します。タイは英仏の緩衝地帯として生き残り、不平等条約を結ばされつつも独立を維持します。

1850〜1875年は大英帝国が覇権を握り第二次産業革命が起こって欧州諸国のアジア植民地化が加速した時代

このように、1850〜1875年は大英帝国が覇権を握り第二次産業革命が起こって欧州諸国のアジア植民地化が加速した時代でした。ドイツ・アメリカから第二次産業革命が起こり、重化学工業部門での技術革新が起こります。その結果、資本の集中と巨大化が進み、原料や労働力確保のため植民地拡張の動きが加速していきます。

これからも一緒に歴史を学んで未来をより良くしていきましょう!最後まで読んでいただきありがとうございました。

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