こんにちは!歴史ワールド管理人のふみこです!
今回は、世界の歴史的地名・伝統的地名を解説します。
みなさんも、「江戸」「肥後」といった地名を聞いたことがあると思います。東京と熊本の昔の呼び名です。それと同じように、世界の地名にも昔の呼び名があり、世界史ではそのような昔の地名がたくさん出てきます。
例えば、「ブリタニア」「ガリア」です。それぞれ現在のイギリスとフランスのことです。では、「キレナイカ」「ダキア」「白ロシア」はどうでしょうか?わかる人は少ないと思います。このように、世界史の教科書や資料集では、このような歴史的地名や伝統的地名がしれっと出てきたり、地図の中に書いてあることがよくあります。
そこで、この記事では世界の歴史的地名・伝統的地名の概要を解説します。
ヨーロッパの歴史的地名・伝統的地名
ヨーロッパの歴史的地名は、ローマ帝国時代に付けられたものが多いです。つまりラテン語名です。現在のスペインはヒスパニア、イギリス(ブリテン)はブリタニア、ドイツ(ジャーメニー)はゲルマニアと、現在の英語の国名をそのままラテン語にすると歴史的地名になるものもあります。これは、ローマ時代の世界言語がラテン語であり、現在の世界言語が英語だからです。
そして、ローマ帝国では、各地に属州が設置されました。この属州の名前が歴史的地名となっているケースもあります。ダキア属州(ルーマニア)やパンノニア(ハンガリー)などです。
オリエントの歴史的地名・伝統的地名
オリエントの歴史的地名は少ないので覚えやすいです。メソポタミアやパレスチナ、カフカスなどは現在でも使われる地名です。ソグディアナは中央アジアで交易に従事するイラン系民族であるソグド人の土地で、後にここがトルコ系民族の居住地に変わると西トルキスタンと呼ばれるようになります。
東アジアの歴史的地名・伝統的地名
東アジアの歴史的地名は、中国を世界の中心と考えて付けられた名前が多くあります。中原(ちゅうげん)は中国の中心部、華北は中華の北部、江南は長江以南を指します。満州とモンゴルには内と外があり、内満州はいわゆる満州の土地、外満州は中原から見て満州の外側を指し、現在のロシア沿海州にあたります。外モンゴルは現在のモンゴルの土地で、内モンゴルは中国領内のモンゴル人自治区を指します。
地名を知ることでさらに世界史が面白くなる
世界史の教科書や資料集には、しれーっと歴史的地名が出てくることが多いです。「1071年にマンジケルトの戦いでセルジューク朝がビザンツ帝国を破ってアナトリアに進出」という記述を見て、歴史的地名を知らないと「アナトリアってどこ?なんでこれが十字軍の契機になったの?」となりますが、知っていれば「アナトリアは現在のトルコ共和国のあるアナトリア半島のこと。ここはそれまでビザンツ帝国領だったが、イスラム勢力のセルジューク朝の進出を許してしまった。アナトリアはビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルにも近く、ビザンツ帝国にとって大きな脅威となったため、敵対関係にあったローマ教皇に救援を要請し、十字軍の契機となった。」ということが理解できます。歴史的地名を知ることで、世界史の理解がより深まるのです。
また、特にヨーロッパの歴史的地名はラテン語のものが多く、響きがかっこいい名前が多いです。かっこいい地名を知るのが面白くて世界史が楽しくなり、そのまま世界史が好きになる人もいます。
これからも一緒に歴史を学んで未来をより良くしていきましょう!最後まで読んでいただきありがとうございました。