【時代解説:紀元前3500年〜2000年頃】古代文明が成立した頃の世界を解説!

こんにちは!歴史ワールド管理人のふみこです!

今回は、紀元前3500年〜2000年頃の、古代文明が成立した頃の世界について解説します。

人類史の99%以上を占め数百万年にもわたって続いた先史時代が終わり、歴史時代に入った直後の世界です。人類が「文字」を発明した直後の世界では、どのような変化があったのでしょうか。

この記事では、紀元前3500年〜2000年頃はどんな世界だったのか、分かりやすく解説します。

目次

紀元前3500年〜2000年頃はどんな世界だったのか

歴史時代の始まった紀元前3500年頃から、世界の各地域では、気候や地理などの自然環境に適応しながら人々が農耕・牧畜と定住生活を始め、メソポタミア・エジプト・インダス・中国の四大文明をはじめとする古代文明を作っていきます。

オリエント地域(メソポタミア文明・エジプト文明)

最初に文明が出現したのは、現在のイラクのティグリス川・ユーフラテス川流域のメソポタミア文明です。砂漠が多く降水量の少ないメソポタミア地方では、灌漑施設や運河を建設するために人々の組織化が早く進み、紀元前2700年頃までに系統不明のシュメール人が都市国家をたくさん作ります。都市国家の王は、神の意思を人々に伝達する宗教的な預言者として権力を握ります。シュメール人の都市国家は紀元前25世紀頃のウル第1王朝時代に最盛期を迎えますが、紀元前24世紀にセム語系のアッカド人がこれを征服し、メソポタミアを初めて統一します。このアッカド人も150年くらいで滅び、紀元前2100年頃に再びシュメール人が盛り返してメソポタミア全土を統一してウル第3王朝を開き、度量衡や統一暦などを導入します。しかし、紀元前2000年頃にセム語系のアムル人に侵入され、シュメール人の国家は滅びます。

エジプトでは、ナイル川の穏やかな氾濫によって上流から運ばれてくる肥沃な土に頼る農業を営みます。エジプトでは紀元前3000年頃から統一国家が誕生し、王はナイル川の水位を管理して増水期を正確に予想する、神そのものとして権力を握ります。そして王を頂点とした中央集権的な官僚組織によって、約3000年間の安定した支配を実現します。ナイル川地域では早くからエジプト語系の人々が集落を形成し、そこからノモス(県)がいくつか成立します。ナイル川の治水のためには、多くの人々の共同労働と、それを統率する指導者が必要となったため、紀元前3000年頃に、メネス王によって初めてエジプトが統一されます。紀元前27世紀から前22世紀に栄えた古王国では、巨大なピラミッドがいくつも建設され、統一国家が安定して繁栄します。紀元前22世紀から各地のノモスが独立していったん統一が失われますが、紀元前2000年頃に中王国が再びエジプトを統一します。

地中海地域(エーゲ文明)

これらオリエントの影響を受けた地中海沿岸地域は、土壌がやせて穀物生産に向いていないため、果樹栽培や牧畜を行い、穀物などを海上交易で手に入れます。紀元前3200年頃から東地中海のエーゲ海周辺に生まれたエーゲ文明では、オリエントと同様に宗教的権威に基づいて王が権力を握ります。初めに現れたのはエーゲ海南部のキュクラデス文明で、紀元前3200年頃から前2000年頃まで続きます。次にクレタ島にクレタ文明が紀元前2700年頃に生まれ、このクレタ文明がエーゲ文明の中で中心的役割を果たし、エーゲ海の海を支配します。アナトリアの沿岸には紀元前2600年頃からトロイア文明が起こります。かの「トロイの木馬」で有名なトロイア文明です。

中国文明

オリエントと同じく大河流域での農業を営んだ中国では、麦や雑穀を生産する黄河文明と、稲作を行う長江文明が生まれます。これらは紀元前6000年頃にほぼ同時に始まったとされます。黄河流域では紀元前5000〜3500年頃にアワやキビを栽培して竪穴式住居に住む仰韶文化、続いて紀元前3000〜2000年頃に大規模な城壁を持つ集落を建設した竜山文化が生まれます。一方、長江流域では紀元前5000〜3500年頃に稲作を行う河姆渡文化、紀元前3300年〜2300年頃に巨大な祭壇や精巧な玉器を作った良渚文化が生まれます。

インダス文明

パキスタンのインダス川流域に紀元前2600年頃発生したインダス文明では、強力な王権は存在せず、煉瓦造りの都市国家が多数生まれます。代表的なものには「モエンジョ=ダーロ」「ハラッパー」があります。

その他の地域(アメリカのアンデス文明・マヤ文明など)

アメリカ大陸の中南部では、紀元前3000年頃から、高地でのトウモロコシ・ジャガイモ・豆などの栽培を行ったアンデス文明やマヤ文明などが発生します。

紀元前3500年〜2000年頃は、古代文明が成立して人類が飛躍的に発展した時代だった

このように、紀元前3500年〜2000年頃は、世界各地で人々が農耕・牧畜と定住生活を始め、古代文明が成立しました。それ以前の、人々がバラバラに狩猟や採集を中心とした生活を行っていた先史時代と比べると、「文字」が発明されて歴史時代に入ったことで人類が飛躍的に発展したことが分かります。

これからも一緒に歴史を学んで未来をより良くしていきましょう!最後まで読んでいただきありがとうございました。

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