【時代解説:1970〜1980年】東西陣営の緊張が再び緩和し多極化が進んだ頃の世界史を解説!

こんにちは!歴史ワールド管理人のふみこです!

今回は、1970〜1980年の、東西陣営の緊張が再び緩和し多極化が進んだ頃の世界史を解説します。

ドル=ショックと石油危機の影響でアメリカの覇権が衰え、これまでの米ソ二大国を軸とした国際関係から、多極化の時代へと移っていきます。東西陣営間の緊張は再び緩和し、米ソ両国は核軍縮を進めます。しかし、緊張緩和の時代は長く続かず、1979年から再び緊張関係に戻ります。

この記事では、そんな1970〜1980年はどんな世界だったのか、分かりやすく解説します。

目次

1970〜1980年はどんな世界だったのか

アメリカ・ソ連

ベトナム戦争での戦費増大や競争力低下により、1971年にドル=ショックが起こり、ドルを基軸とした国際通貨制度が崩壊し、1973年から変動相場制に移行します。アメリカの絶対的な覇権の終わりです。また、同年1973年に第1次石油危機が起こって中東の産油国が石油価格を大幅に引き上げ、世界的に石油が不足する事態となります。世界同時不況が発生し、スタグフレーションが起こります。

長く続くベトナム戦争で、1970年代に入るとアメリカは敗北を悟り、せめて名誉ある撤退を実現しようとします。そこで、ベトナムを支援するソ連と中国が対立している状況に目を付け、ソ連とは核軍縮を進めて緊張緩和し、中国とは和解してニクソン大統領の訪中が実現します。こうして外交的にベトナムを孤立させた上でベトナムと交渉し、南ベトナム政府を認める代わりにアメリカ軍は撤退することで、1973年にベトナム和平協定が結ばれます。

1970年代には米ソの間で多くの核軍縮条約が結ばれ、米ソの緊張は次第に緩和していきます。しかし、1979年にソ連がアフガニスタンに侵攻したことで緊張緩和は終わり、新冷戦と呼ばれる緊張時代へと再び入っていきます。

ヨーロッパ

ドイツはブラント首相のもとで、東側諸国との関係を改善する東方外交を1970〜1973年に展開します。ド=ゴールに似てますね。ヨーロッパの統合も進み。1973年にはイギリス・アイルランド・デンマークがECに加盟し、拡大ECが発足します。これでイギリス・フランス・西ドイツというヨーロッパの主要国が結束します。スペインとポルトガルのファシスト政権も終わりを迎えます。1974年にポルトガル革命が起きてポルトガルは民主化し、スペインでは1975年にフランコが死去して王政となります。

東アジア

中国は1966年から始まったプロレタリア文化大革命が1976年に終わります。ソ連と対立していた中国はアメリカ・日本に接近し、1972にアメリカのニクソン大統領が訪中し、日中共同声明も発表されます。そして1978年には日中平和友好条約が締結されます。

日本も1973年の石油危機の影響で大不況となり、高度経済成長は終わりを迎えます。1972年には沖縄が返還され、日本は現在の国土を取り戻します。

西アジア・アフリカ

1973年、エジプトとシリアはイスラエルを奇襲攻撃して第4次中東戦争が勃発します。緒戦はアラブ側が勝利しますが、やがてイスラエル軍が反撃し、ほぼ引き分けの状態で停戦します。また、アラブの産油国組織であるOAPECがイスラエル支援国に対する制裁として原油価格を引き上げ、イスラエルを支援する欧米・日本では石油危機が引き起こされて経済的打撃を受けます。その後、イスラエルとエジプトは和解し、1978年に和平が成立します。これでエジプト・イスラエルの対立は終わり、中東問題の焦点はパレスチナ解放機構(PLO)によるイスラエルに対するゲリラ戦へと移行します。

アフリカでは1975年にモザンビーク・アンゴラが独立し、1980年にジンバブエが独立します。

南アジア・東南アジア

東パキスタンでの分離独立運動が盛んになり、1971年にバングラデシュとして独立します。

ベトナウ戦争は南ベトナム政府を認める代わりにアメリカ軍は撤退することで、1973年にベトナム和平協定が結ばれます。しかし、アメリカ軍が撤退した後も南ベトナムと北ベトナムの戦争は続き、1975年に南ベトナムの首都サイゴンが陥落してベトナム戦争は終結し、ベトナムは統一されます。1975年にはラオス、1976年にはカンボジアが共産化し、インドシナ半島の3国は全て共産国家となります。特にカンボジアのポル=ポトは国民を虐殺するなど、歴史的に有名な暴君です。

1970〜1980年は東西陣営の緊張が再び緩和し多極化が進んだ時代

このように、1970〜1980年は東西陣営の緊張が再び緩和し多極化が進んだ時代でした。ドル=ショックと石油危機の影響でアメリカの覇権が衰え、これまでの米ソ二大国を軸とした国際関係から、多極化の時代へと移っていきます。東西陣営間の緊張は再び緩和し、米ソ両国は核軍縮を進めます。しかし、緊張緩和の時代は長く続かず、1979年から再び緊張関係に戻ります。

これからも一緒に歴史を学んで未来をより良くしていきましょう!最後まで読んでいただきありがとうございました。

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