【時代解説:1920〜1930年】大戦後世界秩序による平和が続くも世界恐慌によって崩壊した頃の世界史を解説!

こんにちは!歴史ワールド管理人のふみこです!

今回は、1920〜1930年の、大戦後世界秩序による平和が続くも世界恐慌によって崩壊した頃の世界史を解説します。

第一次世界大戦後、ヴェルサイユーワシントン体制によって大国間の平和が保たれますが、国際的平和維持機構である国際連盟は、大国アメリカの不参加や武力制裁ができないなどうまく機能しません。ロシアでは史上初の社会主義国家が誕生し、アジアでは独立運動が活発化する中、空前の繁栄を謳歌していたアメリカで世界恐慌が発生し、世界中に広まっていきます。

この記事では、そんな1920〜1930年はどんな世界だったのか、分かりやすく解説します。

目次

1920〜1930年はどんな世界だったのか

ヨーロッパ

第一次世界大戦によって荒廃したヨーロッパはヴェルサイユ体制のもとで大国間の平和が保たれますが、特に敗戦国のドイツでは高額な賠償金と領土縮小への不満が高まり、1919年に右派の国民社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)が結成され、1921年にヒトラーが党首になります。ドイツによる賠償金の支払いが滞ると、1923年にフランス・ベルギーがルール工業地帯を占領し、ドイツ経済は壊滅的打撃を受けます。その解決のため1924年にドーズ案が採択されてアメリカがドイツを支援すると、賠償金支払いの目処が立ち、ドイツ経済は回復していきます。

戦勝国でありながら戦争によって経済が悪化したイギリスとフランスでは社会主義が勢いを増し、イギリスでは1924年に初の労働党内閣が誕生、フランスでは1924年に左派連合政府が成立します。同じく戦勝国でありながら領土要求が通らなかったイタリアでも不満が高まり、 1921年にファシスト党が結成され、党首ムッソリーニは1922年にローマに進軍、ファシスト政権を誕生させます。ムッソリーニは1924年にフィウメ併合、1927年にアルバニアを保護国化し、対外進出も進めます。

ソビエト政権が成立し諸外国の干渉戦争を受けたロシアではソビエト政権の軍(革命軍・赤軍)が優位に戦いを進め、国内の反革命勢力と諸外国の干渉軍を退けていきます。その結果、1922年に干渉戦争は終結し、ロシアの地にソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)が誕生します。ソ連の指導者レーニンが1924年に亡くなると、トロツキーとスターリンが後継者争いをしますが、スターリンが勝利して実権を握ります。

アメリカ

戦勝国となったアメリカは戦争による特需などで好景気となり、自家用車が普及するなど大量消費社会を迎えて人々の暮らしも向上し、空前の大繁栄を謳歌します。しかし、1929年に突然株価が大暴落して世界恐慌が発生し、企業の倒産・人々の失業が相次ぎ、急激に不況となります。当時のアメリカは世界経済の中心であったため、不況は全ての資本主義国に広がってしまいます。

東アジア

戦勝国となった日本も戦争特需などによって好景気となります。そんな中、人々は民主主義を求める運動を起こします。これは大正デモクラシーと呼ばれます。その結果、1925年に普通選挙法が定められ、全ての25歳以上の男性に選挙権が認められます。

中国では孫文が1919年に中国国民党を再編し、ブルジョワ革命による民主主義政治の実現を目指します。一方、ソ連の影響を受けて1921年に中国共産党が結成され、社会主義の実現を目指します。この2党は対立しますが、1924年に第1次国共合作が成立し、協力関係を結びます。孫文の死後は蒋介石が実権を握り、1926年から地方の軍閥を打倒する北伐を開始し、中国統一を目指します。その途中、1927年に上海クーデタを起こして共産党を排除し、南京国民政府が樹立されます。そして1928年に北京を占領して北伐が完了し、中国統一が完成されます。しかし、国民党と共産党は内戦状態となります。

その他の地域

西アジアでは独立運動が盛んになります。敗戦国オスマン帝国では近代化改革が行われ、ムスタファ=ケマルが1923年にトルコ共和国を建国します。エジプトは1922年にイギリスから独立し、イランでは1925年にパフラヴィー朝が成立し、独立を回復します。アフガニスタンとイエメンも1919年に独立していました。

インドでも独立運動が盛んになり、非暴力・不服従を掲げるインド国民会議派がガンディーやネルーの指導のもと独立運動を行います。

1920〜1930年は大戦後世界秩序による平和が続くも世界恐慌によって崩壊した時代

このように、1920〜1930年は大戦後世界秩序による平和が続くも世界恐慌によって崩壊した時代でした。第一次世界大戦後、ヴェルサイユーワシントン体制によって大国間の平和が保たれますが、国際的平和維持機構である国際連盟は、大国アメリカの不参加や武力制裁ができないなどうまく機能しません。ロシアでは史上初の社会主義国家が誕生し、アジアでは独立運動が活発化する中、空前の繁栄を謳歌していたアメリカで世界恐慌が発生し、世界中に広まっていきます。

これからも一緒に歴史を学んで未来をより良くしていきましょう!最後まで読んでいただきありがとうございました。

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