【時代解説:1945〜1950年】資本主義と共産主義の東西冷戦が始まりアジア諸国が独立した頃の世界史を解説!

こんにちは!歴史ワールド管理人のふみこです!

今回は、1945〜1950年の、資本主義と共産主義の東西冷戦が始まりアジア諸国が独立した頃の世界史を解説します。

第二次世界大戦で、資本主義・ファシズム・共産主義の3つの陣営のうち、資本主義・共産主義が手を結んでファシズムを倒しました。しかし、資本主義と共産主義はもともと対立していたのがファシズム打倒のため仕方なく協力していただけなので、ファシズムを倒して第二次世界大戦が終結した後、すぐにこの2つの陣営は対立していきます。また、欧米諸国の植民地にされていたアジア諸国の多くが大戦後すぐに独立します。

この記事では、そんな1945〜1950年はどんな世界だったのか、分かりやすく解説します。

目次

1945〜1950年はどんな世界だったのか

ヨーロッパ

従来の国際連盟に代わる安全保障機関として、第二次世界大戦終結前から、連合国の間では国際連合の設立が構想されていました。日本が降伏して第二次世界大戦が終結した直後の1945年10月24日、国際連合が正式に発足します。しかし、この頃からドイツの占領・東欧の支配などをめぐってアメリカ・イギリスとソ連の間で対立が深まり、1946年のイギリス首相チャーチルによる「鉄のカーテン演説」や1947年のアメリカによるヨーロッパ諸国支援である「トルーマン=ドクトリン」「マーシャル=プラン」により、共産主義の拡大を恐れるアメリカ・イギリスはソ連との対決姿勢を強めます。対抗してソ連側も1947年に各国共産党の連携組織であるコミンフォルムを結成し、アメリカ・イギリスとの対決姿勢を明確にします。さらにソ連は1948〜1949年、ベルリンを封鎖し、1949年にはドイツが東西に分裂します。そしてソ連も核実験に成功して核保有国となり、米ソの核軍拡競争が始まります。同年、アメリカ・イギリスはNATO(北大西洋条約機構)を設立して資本主義陣営の結束を強めます。そんな中、同年、中国で共産主義国家である中華人民共和国が成立して共産主義がアジアに拡大し、さらに1950年、朝鮮戦争が勃発すると東西両陣営の緊張はさらに高まります。

このような東西両陣営の対立は、「冷戦」と呼ばれます。朝鮮戦争などの代理戦争は起きますが、米ソが直接戦争することがなかったためです。

東アジア

第二次世界大戦が終結して日本の脅威が消えた中国では、日中戦争以前に対立していた国民党と共産党が再び対立し、早くも1946年から内戦が再開します。内戦の結果、共産党が勝利して1949年に中華人民共和国が成立し、国民党は台湾に逃れます。日本降伏後、朝鮮半島は北部をソ連、南部をアメリカが占領し、1948年に北部で北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)、南部で韓国(大韓民国)が独立します。しかし、1950年、北朝鮮は朝鮮半島統一を狙ってソ連・中国の合意のもと韓国に侵攻し、朝鮮戦争が勃発します。

日本は降伏後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が置かれ、実質アメリカによる占領を受けます。日本は軍国主義が解体されて民主化します。当初、GHQの日本占領は軍国主義の排除と民主化が主な方針でしたが、東西冷戦が始まるとすぐに日本を西側資本主義陣営の一員にする方針に代わり、1950年の朝鮮戦争の勃発に伴い、日本に警察予備隊の設置を命じて再軍備させます。

西アジア

ユダヤ人は2世紀前半のディアスポラ以降、世界各地に離散し、長い期間迫害されてきましたが、第二次世界大戦中のホロコーストの結果、ユダヤ人に同情が集まり、古代にユダヤ人国家のあったパレスチナの地にユダヤ人国家を建設することになります。ユダヤ人とはヘブライ人のことです。1947年の国連によるパレスチナ分割決議の結果、パレスチナはユダヤ人居住区とアラブ人居住区に分断され、ユダヤ人居住区に1948年、イスラエルが建国されます。しかし、7世紀以降、長い間このパレスチナの地はアラブ人が住んでおり、アラブ人たちはイスラエルの建国に反対します。その結果、周辺のアラブ諸国はイスラエルに侵攻し、1948〜1949年、第1次中東戦争が起こります。戦争はイスラエルの勝利に終わり、イスラエルは領土を増やしてパレスチナの大半を占領しますが、イスラエルとアラブ諸国の対立はいっそう激しくなります。

南アジア・東南アジア

第二次世界大戦で疲弊したイギリスにはもはや広大な植民地を維持する力はなく、1947年にインドを手放すことを決めます。しかし、インド内部でヒンドゥー教徒とイスラーム教徒の対立が深まり、1947年、ヒンドゥー教国家のインドとイスラーム教国家のパキスタンとで分離独立します。セイロン島も分離独立します。

東南アジア諸国も一気に独立します。オランダ領のインドネシアは1945年、アメリカ領のフィリピンは1946年、イギリス領のビルマは1948年にそれぞれ独立します。特にインドネシアでは、残留日本軍兵士も独立運動に参加しました。フランス領インドシナでは1945年にラオスが独立しますが、ベトナムとカンボジアではフランスが植民地支配を続けようとし、1946年からインドシナ戦争が勃発します。

1945〜1950年は資本主義と共産主義の東西冷戦が始まりアジア諸国が独立した時代

このように、1945〜1950年は資本主義と共産主義の東西冷戦が始まりアジア諸国が独立した時代でした。第二次世界大戦で、資本主義・ファシズム・共産主義の3つの陣営のうち、資本主義・共産主義が手を結んでファシズムを倒しました。しかし、資本主義と共産主義はもともと対立していたのがファシズム打倒のため仕方なく協力していただけなので、ファシズムを倒して第二次世界大戦が終結した後、すぐにこの2つの陣営は対立していきます。また、欧米諸国の植民地にされていたアジア諸国の多くが大戦後すぐに独立します。

これからも一緒に歴史を学んで未来をより良くしていきましょう!最後まで読んでいただきありがとうございました。

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