【ラビ】ユダヤ教の律法学者・宗教的指導者について解説!

律法を研究する正統派のラビ(出典:wikipedia)

こんにちは!歴史ワールド管理人のふみこです。

今回は、ユダヤ教の律法学者・宗教的指導者である、「ラビ」について解説します。

目次

ラビとは

「ラビ」は、ユダヤ教の律法学者・宗教的指導者です。聖職者とは少し異なります。キリスト教でいう司祭(神父)や牧師とは少し異なり、ユダヤ法を解釈する学者、日常生活でのユダヤ法の実践方法を教える教師という意味合いが大きいです。日本の神社の神主や寺の住職、キリスト教の神学者に似ています。ユダヤ教の総本山はパレスチナにありますが、各地に離散するユダヤ人にとって、パレスチナのやり方で全てうまくいくとは限りません。それぞれの土地の文化や法と折り合いをつけていかなければなりません。そういう時に目の前の問題を解決してくれる専門家が、「ラビ」です。古代から中世の「ラビ」は他の職業を持ちながら「ラビ」を兼ねていましたが、16世紀以降は職業化が進み、ユダヤ共同体から給料をもらう専業の「ラビ」が増えていきます。

ラビ・ユダヤ教の成立

宗教に儀式はつきものです。ユダヤ戦争で神殿が破壊される前のユダヤ教では、祭司が神殿で儀式を行っており、神殿を司る祭司たち、サドカイ派を中心にユダヤ社会は成立していました。しかし、神殿が破壊された後のユダヤ教では、聖書の言葉を唱える礼拝を各地の会堂(シナゴーグ)で行うことが基本となります。神殿が破壊されほとんどのユダヤ人が各地に離散して異教国家で暮らすようになると、その国の法とどう折り合いをつけるかが問題となります。日常生活を司るユダヤの律法を実際の場面でどう適用するかです。パレスチナでの対処法が異教国家で全てうまくいくわけではなく、毎回パレスチナの本部に照会するわけにもいきません。そこで、さまざまな助言や判断を行うのが「ラビ」なのです。神殿で儀式を行うサドカイ派に代わり、「ラビ」を中心として律法の解釈を学ぶファリサイ派が生き残り、ユダヤ教の主流派となったのです。ユダヤ教は現在でもこのかつてファリサイ派と呼ばれた「ラビ・ユダヤ教」がユダヤ教の主流派・多数派です。

タルムードの編纂

バビロニア・タルムード全巻(出典:wikipedia)

「タルムード」とは、ヘブライ語で「学び」を意味する、ユダヤ教の律法学者による口伝・解説を集めた議論集です。ユダヤ教徒の生活や信仰の基礎となっており、宗教的な教えだけではなく、現実的な生活の知恵も含まれます。

313年にキリスト教がローマ帝国に公認され392年には国教になると、キリスト教への保護が手厚くなる一方でパレスチナに残るユダヤ教への迫害がさらに悪化します。このような危機の中で、これまで蓄積された律法解釈を記録するため、ラビたちによって4世紀末に最初のタルムードが編纂されます。多くのユダヤ人が、このタルムードの教えを学び、迫害を乗り越え世界中で成功を収めます。

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